お咎めアリ

ある晴れてるとは言い切れない朝、東京にある我が社の管理部門から私宛に連絡が入った。

 

いくつものグレーゾーンを股にかけ横領に次ぐ横領をもはや縦にしているような人物が社内にいるので密偵として、確固たるぐうの音も出ない証拠を掴むべし、と。

 

もともと推理小説やスパイ小説、ねずみ講新興宗教へのルポライティングなどを生業に生きて来たのでそんなことは朝飯前のヨーグルトぐらいの酸味だと、了と、承と、返信。

 

これより私の調査が始まるのであった。

初文

ありあまる地上の理不尽や不条理に晒されこそ報われる確率の低さを呪い、遍く響き渡る名言格言金言を聞き逃さずに損だけはしたくない現代人に捧ぐ。

 
削ぎ落とせるだけ削ぎ落としたはずの自己愛や自意識が、自ずと然るべき不自然な油膜のようにフィルターとしてまとわりついてどうしようもないのですがこんなことって私だけなのだろうか。
 
信じたくないので書き綴ることにしました。読んでくれてありがとう。野草のようにここで根を張れたらと思っています。
 
人を見れば見るだけ嫌いになっていくし、他者かたの指摘に対する矛盾を探して見つけたら満足して全然余裕で謝罪できるようになる。要するに見下して、相手の人間としての価値をマイナス評定して安心する。自分はこれだけ優れているのに、それに気づかないこの人間の、世間の、地球の、次元の、愚かさよ。嗚呼、貧しき受動スペックのダウンデートだけが独立して宙に浮いたままお前の汚れを見つめているぞよ。と。
 
結局、自分で気づいているのでご指摘は不要。精神の安定をはかるべく更新をしていく所存。